甲府25km走


甲府25km走、公園を走り前方に見える小さな山までのランニング。白髪でメガネをかけている紳士と併走しました。

私の左で走っている紳士が「あと5kmかぁ、私はもうダメですよ。」とつぶやいた。
「もうすぐですよ、頑張りましょう!」と砂利道の水溜まりをピョンピョンとよけながら走りました。

どうやら私たちが最後尾、私たちより後ろを走っている人たちは、迂回コースへ誘導されているようです。右後ろの遠方で数人のランナーが見えました。

紳士に琵琶湖一周してきた自慢をしながら併走を続けました。

と、なぜか建物に向かって細い道を歩いている私。右側に茶色のマントを羽織った少し変わった雰囲気の女の子。

どうやら何度か見かけたことがあり「薄気味悪いな…いつもここで何をしているんだろう。」と思っていました。

その女の子の横を通り抜けようとすると、マントに隠れている右手が少し動いたような気がして、チラッと右側を見ながらすすむと、スローモーションになって、女の子の右手がゆっくりと私の右ひじを掴んだのです。

「うわっ!」

びっくりしてその女の子を見ると、少しうつむきながら、「誕生日の本を買ったら運命の人だったんです…」と小さな声でつぶやきました。

「いやいや、同じ誕生日の人なんてたくさんいるから、それよりこんなところに立っていないで、早くお家へ帰りなさい。」というと、急に大きな声でその女の子は叫びました。

「わたし、月には帰りません!」

意味の分からないパラレルワールドから帰還しました(笑)


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